焚き火の薪の選び方と燃やし方

薪の王様「樫の木の薪」で焚き火を楽しんでみた

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焚き火好きならみんな知っているかと思いますが、薪の王様はなんの木でしょう?

人それぞれに好みがあるので「これ!」って決めることはできないのでしょうが、私見偏見で決めさせていただくと、間違いなく「樫(カシ)の木」の薪でしょう。

樫の木というと、イソップ童話?の、嘘をついたら鼻が伸びる「カシの木モック」のカシです。もっとわかりやすくいうと「どんぐりの木」です。

樫の木はとても硬いのですが、その分火持ちが良く薪としては最上位の樹種と言えるのです。

まず樫の木のことを知るために樹種の大きな分類を少し知っておきましょう

地球上の樹種(木の種類のこと)は大きく2つに分類されています。

広い葉っぱの広葉樹と尖った針のような葉っぱの針葉樹です。

この2つの樹種の違いを知っているとこれから焚き火の世界を知る上で、楽しみ方が全然違ってくるので少し解説に付き合ってもらえると嬉しいです。

樫の木は広葉樹の薪の代表だけど広葉樹と針葉樹の違いは?

2つの樹種は葉っぱの形状だけが異なるわけではありません。実は細胞の構成や組織の働きも異なるため、ある意味全く違う種類の生物だと言ってもいいのかもしれません。

それが結果的に、薪として燃え方が大きく異なることにつながっていくんです。

先がとがり細い葉の針葉樹と、扁平な形の葉の広葉樹。針葉樹と広葉樹は、一般に知られているように葉の形から見分けられます。幹は、針葉樹はまっすぐ伸びているのに対し、広葉樹は太くて曲がっていることが多く、さらに枝分かれしているのが特徴です。外見の違いだけではなく、針葉樹と広葉樹は細胞と組織の成り立ちが異なっています。針葉樹の組織は単純で、大半の樹種は90%以上が仮道管で占められています。仮道管とは、水を根から樹幹を通して葉へ送る通路のことですが、木そのものを支える役目も担っています。細胞の構成は非常に単純で、配列は整然としています。広葉樹の組織構造は複雑で、細胞の種類が多いだけではなく、細胞ごとの機能も分業・専門化しています。水分の通り道は主に道管が、木を支えるのは主に木部繊維が担っています。
また、養分の貯蔵機能をもつ柔組織といわれる組織も発達しています。人間の身体に置き換えて、筋肉と血管がひとつになっているのが針葉樹、筋肉と血管がそれぞれ独立して別々の働きをしているのが広葉樹と考えると分かりやすいかも知れません。

MOKUZAI.COMより

樫の木の薪の燃え方を項目別に解説

焚き火の楽しみ方はいくつもありますが、その中でも特にメインである薪の燃え方や煙の香り、音を楽しむことが挙げられます。

そこで、樫の木の薪の場合、それがどんな風なのか項目別にお話ししていきましょう。

樫の木の薪の重さや硬さは?

樫の木は広葉樹なのでとても硬く、とても重いのが特徴です。

先の針葉樹と広葉樹との違いを記載しましたが、針葉樹の代表である杉の木と比べると同じ大きさなら重量は杉の2〜3倍はあるかもしれません。

樫の木の薪同士をぶつけると金属のような硬い音がすることからもその目の詰まり具合が分かります。

焚き火の世界でいう「バドニング」、いわゆる薪割りをしようとすると樫の木は非常に硬く割るのに相当の力が必要です。

また針葉樹の杉や檜のように、目が通っていてパカッと割れる感じではなく、引き裂いた感じの割れ方となります。

割れた表面を見ると綺麗ではなく凸凹でザラザラで、まさに引き裂いたという表現がふさわしいのです。

実際に割ってみた動画をご覧ください。

樫の木の着火性や火持ちは?

樫の木が薪の王様といっても万能というわけではありません。

実は、樫の木の数少ない弱点の一つに「着火性が悪い」というものがあります。

最初火を起こすのに樫の木の薪だと火が付きにくいんです。特に焚き火ビギナーには火起こしが一番難関なわけですが、この樫の木の薪だと火起こしを失敗してしまうのです。

私のような焚き火愛好家でも最初から樫の木の薪は使いません。火起こしは着火性の高い杉の木を使うようにしています。

杉の木の薪である程度火を起こして熾火ができた所で樫の木の薪を焚(く)べると樫の木に容易に火をつけることが可能です。

そしてそこからが樫の木の薪の本領発揮です。王様たる由縁は、一旦火がついてしまえば長時間燃え続けてくれるんです。

その火持ちの良さは素晴らしく、おそらく同じ大きさの杉の木と比べると3〜4倍は長く燃え続けるような感じです。

炎も一定の火力を保ちながら静かに燃え続けてくれるので、頻繁に薪を追加しなくてもゆっくり焚き火を楽しむことができるのです。

煙やその香りは?

乾燥具合によって煙の出方は変わりますが、ほぼ完璧な乾燥状態だと最初こそ少し煙が出ますが、火が安定するとあまり煙も出なくなってくるようです。

香りもそれほど特徴があるものではありません。

※よく焚き火では黒い煙とともに油が燃えたような匂いが出る場合がありますが、あれは樹脂成分の多い針葉樹を燃やし、少し不完全燃焼状態(酸素が欠乏)の時に多く出るようです。煤(すす)は、針葉樹、広葉樹とも同様に出るのですが、これも不完全燃焼の際に多く出るそうです。薪の間に隙間を作ったりと空気の入る隙間が多いと少なくなるようですよ。

炎の音は?

焚き火らしい「パチパチ」と薪が爆ぜる音は、どれぐらいするのが良いかは人それぞれ好みがあるでしょう。

夜長の焚き火では静かに、そして虫の鳴き声と共に時たま「パチパチ」と音がするぐらいが風情がありリラックスできるものです。

樫の木の薪は、ちょうど良いのです。

火が安定すると一定の火力で静かに燃え続け、ほとんど「パチパチ」と爆ぜることはありません。

時折思い出したように静かに爆ぜるのですが、杉の木のようにせわしくパチパチ爆ぜないので落ち着いて焚き火を楽しむことができるでしょう。

百聞は一見にしかず!動画で見てみてください。

少し最初に薪を叩いてみるシーンがありますが、音も樫の木は硬い音がすることがわかってもらえるはずです。

 熾火と灰になり方は?

樫の木の薪の凄い所は、薪が燃え続け最後に熾火になってからも長時間燃焼し続ける所です。

この熾火の熱量なら十分調理にも使えるでしょう。

私は焚き火台では調理をしない派ですが、焼き芋やジャガイモをアルミホイールで蒸し焼きしてそのばでバターと粗塩で食べるのが大好きです。

超時間熱量を出し続けた後、最後は白い灰に変わっていき、ほとんど何も残らないものなのですが、私はそれが待ちきれずに持参した火消し壺(DAISOで代用品を見つけてきた→これ)に入れて消火し持ち帰ります。

【まとめ】やっぱり樫の木の薪は一番!焚き火に向いている樹種だと確信

いかがでしたか、樫の木の薪の魅力を語りきれなくて残念ですが、本当に一度試してみていただきたい。

ホームセンターでは扱っている所はないかと思いますが、ネットショップではいくらでも入手可能です。

多少、ホームセンターで売っている杉の薪より割高ですが、火持ちや燃え方が全然違います。

結局コストパフォーマンスは樫の木の薪の方が上かもしれません。

今まで杉の薪しか試したことのない人は是非チャレンジをお勧めします。

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